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12月1日(土)
マヤ暦5月17日 |
雅子さんが女の子を出産した。 天皇家の跡継ぎということではなく、たんじゅんにひとつの命が生まれたことを喜ぼうじゃないか。 浩ちゃんとオレは同級生だし、母親の名前も美智子同志だ。天皇制には賛成でも反対でもないが、皇室の人々を心から偉いなあと思う。皇室という職業ほど、不自由なものはない。二十四時間営業で二六六一年間もつづいた職業はほかにないぜ。 人間というのは聖なる部分と俗なる部分でバランスとって、やっとのことで生きていける。俗なる部分は人が自分を支えていくために必要不可欠なものだ。誰かの短編で「影を盗まれた男」というのがあったが、皇室に生まれるというのはまるで心の半分をはく奪されたようなもんだ。 まえに「オレは孤独という物差しで人を判断する」というようなことを書いた。浩ちゃんというひとりの男がくぐってきた孤独を想像すると、涙が出そうになる。粘土で型押しされたごとく行動を制限され、希少動物のごとく監視される。彼は日本中の誰よりも、壮絶な苦悶をくぐってきたはずだ。 アリゾナにタオスプエブロというインディアン部落があって、観光客から入場料をとって暮らしている。仲よくなったお婆さんがこぼしていた。「なにがつらいって生活を見せ物にすることほどつらいもんはないよ」 ましてやアメリカなどで自由を謳歌した雅子さんは、とてつもない葛藤をくぐり抜けてきたと思う。二年前の流産でさんざんプレッシャーをかけられ、自分の才能とは関係なく出産ロボットとして扱われることに体も心もボロボロになっただろう。 「女性天皇の誕生バンザイ!」などと浮かれるのもいいが、あなたの子どもじゃなく、日本国民の子どもじゃなく、彼ら自身の子どもなのだ。 深い深い孤独をシェアしてきた二つの魂が、ひとつの魂を産んだ。 オレたち人類の新しい仲間のひとりとして歓迎してあげよう。そしてこの子の未来が明るいものであることを祈ろう。 |
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12月2日(日)
マヤ暦5月18日 |
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12月3日(月)
マヤ暦5月19日 |
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12月4日(火)
マヤ暦5月20日 |
できたての「アヤワスカ!」をわざわざ編集者の綾木さんが日光までとどけにきてくれた。明日になれば宅急便で作者分の十冊がとどくというのに、ぜいたくというか、ありがたいことである。 作者は一日でも早く我が子の顔を見たい。 見たい、見たい、見たい、見たくてしょうがない。 綾木さんがかばんから取りだした「第一冊目」にほおずりし、キスしちゃう。 これは「見本」とよばれるもので、見た目は本屋に並ぶものとまったく同じだが、職人さんが手で製本したものだ。世界にひとつしかないウイニングボールだな。 表紙を開くと、「見返し」ページの一面に二十八枚ものカラー写真がレイアウトされている。さすがデザイナー界のドン、鈴木成一大先生! アヤワスカの葉、幻覚サボテンの輪切り、アヤワスカを飲む子ども、ネズミをくわえる猫、ミイラ、アヤワスカの蔓の断面図、シャーマンと肩を組むオレなどなど、自分でもわくわくしてくる。 さあて、目次を紹介しよう。 序章 ようこそ、もうひとつの現実へ 地獄篇 ペルー リマ 第一歌 見捨てられた首都 第二歌 両腕のない画家 第三歌 血の洗礼 ナスカ 第一歌 暴かれた墓 第二歌 マリア・ライヒの見た光 第三歌 世界最大の謎と嘔吐 ティティカカ湖 第一歌 ひょっこりひょうたん島 第二歌 不吉な未来 第三歌 悪魔のダンス マチュピチュ 第一歌 生け贄 第二歌 過剰摂取(オーヴァードーズ) 第三歌 空中都市 煉獄篇 ペルー、エクアドル ヴィルカバンバ 第一歌 二二四歳の夫婦 第二歌 幻覚サボテンを求めて 第三歌 スピリチュアル糞(シット) ワンカバンバ 第一歌 奇跡 第二歌 聖なる黒い湖 第三歌 落石事故 タラポト 第一歌 麻薬依存者治療センター 第二歌 みどりさんの幽霊 第三歌 もっと遠くへ、もっと遠くへ プカルパ 第一歌 幻覚の画家 第二歌 萎びた乳首 第三歌 ダブルレインボー 天国篇 ブラジル クルセイロ・ド・スール 第一歌 精霊の国 第二歌 星の子ども 第三歌 ジャングルの試練 セウ・ド・マピア 第一歌 アマゾンの子宮へ 第二歌 地上最後の楽園 第三歌 神々のドラッグ 終章 おかえり、今ここにある世界へ この本はたんなるドラッグや冒険ものじゃない。 人間の心とは? 生きる意味とは? オレたちの未来とは? すべてのものをつぎ込んだつもりだ。 ちょうど二年前の今ごろアマゾンにいた自分が夢のようだ。いったいどこにあんなパワーがあったんだろう。パソコンに縛りつけられている今の自分には想像もつかない。 また旅に出れば野性に返るだろうが、こんな凄まじい旅は二度とできない。 PS 発売日は明日だけど、本屋に並ぶのは八日すぎになります。 |
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12月5日(水)
マヤ暦5月21日 |
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12月6日(木)
マヤ暦5月22日 |
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12月7日(金) |
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12月8日(土)
マヤ暦5月24日 |
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12月9日(日)
マヤ暦5月25日 |
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12月10日(月)
マヤ暦5月26日 |
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12月11日(火)
マヤ暦5月27日 |
先ごろ対談をしたフリーライター伊藤竜太さんから、韓国の犬食に関するメールがきた。 「FIFAが韓国の犬食に対する批判を行なったが、犬食についての是非をめぐる問題は異文化の拒否につながる」というものである。韓国の伝統食である犬食を「ワールドカップの期間中だけ禁止せよ」というのは、明らかにおかしい。 オレは犬も猫も蛇も食ったことがあるし、 オレたちは命を食らわねば、生きてけいないのだ。 自然界の当たり前な現実に気づいてほしい。 君が今生きているのは、なにかを殺しているからだ。 アイヌはイヨマンテ(熊送り)の儀式をやっていたが、オレたちは、 「ウシマンテ」 「ブタマンテ」 「トリマンテ」 をやってきたか? 「イヌマンテ」 もやってほしい。 なにを食うかではなく、どれだけ感謝できるかで文化の質は計れると思う。 ※ 「アヤワスカ!」を見ました、買いました、クリスマスのポップ(オレが手作業で作った)がありましたとの情報が送られてくる。 二年前のあまりにも不思議な旅を書き起こすことで、かなりたくさんの情報を削った。 オレは文章を、音楽や絵画と同じように書いてしまう癖があって、重要な出来事でもどんどん切り捨ててしまう。 やっぱ、ノンフィクション作家にはむいていないのかな? 「アヤワスカ!」でボツになった原稿を「番外編」でのせちゃおう。 ※ 「スリを食べたことがあるかい?」 教会のよこに怪しい物売りがいた。 浅黒い肌と東洋的な顔立ちは、明らかにインディオだ。青いプラスティックバケツには、まるまると太った幼虫が蠢うごめいている。壁に立てかけられた写真には瘤こぶだらけの手が写っていた。 「こ、これはなんですか」 「スリという蝶の幼虫だよ。こいつから摂とったエキスが関節炎や風土病に効くんだ。骨の湿気をとる働きがあるんだな。写真は五年前のわしの手だ」 節くれだちながらも正常にもどった手を蝶のごとくひらめかせる。 「この小さな精霊たちのおかげだ」 男は無造作にスリを口に放りこんだ。あっけにとられる僕に一匹突き出す。 「………………」 たしかテレビで見たのは、サゴ虫の幼虫を食べるアボリジニだったと思う。絹の名産地、長野県でも昔は茹でた蚕をどんぶりで食っていたという。 「食べなさい、インディオの知恵だ」 おっちゃんは、ウニを外国人におごってやる日本人さながら善意の化身だった。身をよじるマシュマロを口に入れると、舌のうえで薄い体毛がダンスする。泣きだしそうに目をつむって……噛む! プチッと命が停電した。 粘ついた体液が口いっぱいに広がったが、嗚咽が出かかるまえにあわてて飲みくだす。舌に直接マーガリンをぬられたような脂っこさ? クリームシチューとナンプラーを煮つめたような芳ばしさ? なんとも形容しがたい。 グルメ番組のレポーターなら、笑顔を装って言うだろう。 「まったりと舌にはりつく滋味がありますね」 「こうして手足のない芋虫が我々の健康を守ってくれんだ」 上機嫌なおっちゃんに気づかれないよう、なんども唾液で舌苔を洗い流す。 とにかくだ。 異文化を理解するには、 「食べる」しかない。 |
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12月12日(水)
マヤ暦5月28日 |
0600(マルロクマルマル)。午前六時、総員おこし。 こんな朝っぱらから半田教官の電話があった。 「本日、湯西川において雪上野営訓練を実施する。装備を整え直ちに出頭せよ」 受話器をもちながら窓を開けると、白いフォードの2ドアセダンが到着していた。 「半田教官、お言葉ですが、そのような話は聞いておりません」 「貴様がヒマジン・オール・ザ・ピープルなのは十分承知のうえだ。同じくヒマ人、もとい、自由人の加納訓練補もきておる。覚悟を決めてすみやかに出頭せよ」 半田教官が断固たる口調で命令した。 「はっ、AKIRA二等兵、出頭準備よろしい。ただちにまいります」 「ばかもん、自分のことを名前で呼ぶな! 名字で名乗れ」 「AKIRA二等兵、もとい。杉山二等兵、直ちに出頭いたします」 湯西川とは栃木県北部の山岳地帯にある小さな村である。温泉保養地であるとともに、平家の落人伝説が残っている。「アヤワスカ!」にも書いたとおり、松屋旅館の注文で「平家物語」の絵を描かせてもらったことがある。 1600(イチロクマルマル)。午後四時、諸事情による遅滞。 白いフォードは本通りからはずれ、沢沿いの道を奥へと疾走していく。凍結した路面にはうっすらと雪がつもっているのにノーマルタイヤとは、先が思いやられる。半田教官は後輪を氷にとられながらも、スピードをゆるめない。 「杉山二等兵、我々がむかっているのはキャンプ場だ」 たしかにそこはキャンプ場だった。無人のロッジが一軒建ち、人影のない設営場の芝は雪に埋もれている。 「半田教官、冬期のキャンプ場は閉鎖されているではありませんか」 「安心しろ。我々が野営訓練を実施するのはその先だ」 重い装備を背負ってキャンプ場を横切る。雪のなかに四十センチもめりこんだ加納訓練補の足跡に合わせて歩む。加納訓練補は振り向きもせずに穏やかな口調で語りかけてくる。 「半田教官はな、杉山二等兵に冬期キャンプの楽しさを教えようと何カ月も前から計画されていたのだ」 我々は何度も足をすべらせながら、枯れ木の立ち並ぶ斜面を下る。急ごしらえゆえ、長靴など頭に浮かばなかったわたしは、あさい安全靴が雪まみれになり、靴下やズボンのすそが凍りつく。 「加納訓練補、わたくしにも心の準備というものが」 三メートル幅ほどの小川のほとりに荷物をおろした。 「杉山二等兵にあれこれ思い悩ませないよいう熟慮の結果だ。半田教官はあのように武骨な性格ゆえ、誤解されることが多い。同期の同僚たちは一等陸曹や部内幹候に昇進しているのに、若者たちに教えたいという一心で今の地位にとどまっておられるのだ。言葉にならぬ温情をくみ取るのも隊員の務めというもんだ」 誰よりも重い荷物を背負った半田教官がおりてきた。 「今晩我々はここに野営する」 「お言葉ですが、こんな川っぷちの雪のうえで寝たら、風邪をひくか、凍死してしまうのでは」 「今日の天気からして、マイナス五度よりは下がるまい。南極越冬隊はここより十倍も寒いところでくらしながらも、風邪ひとつひかん」 「お言葉ですが、南極は寒すぎて風邪のウイルスが存在しません」 「不服とあらば、歩いて帰れ」 そんなあ、ここから日光に歩いたら三日はかかる。 「命令、わたしと加納訓練補がテントを設営する。杉山二等兵はたき火のための熊笹を刈り、枯れ枝を収集せよ」 なにが「温情」だ。ぶつぶつ言いながらも、一刻も早く火にあたりたい一心で命令に従う。 1730(イチナナサンマル)。夕方五時半、設営。 キャンプ場に打ち捨てられた錆だらけのブリキ缶に炭をしき、熊笹をつめ、細い枝から積んでいく。着火剤や新聞紙を忘れたので、ガソリンをぶっかけ手っ取り早く火をつける。たき火がおきたとたん、寒々とした風景が一変する。とんでもねえところに連れてこられちまった思っていたが、なかなか美しい場所じゃないか。小川のせせらぎが通底音となって耳を洗い、雪肌が青く陰っていく。見上げれば、複雑にからみあう枯れ枝から、暮れかかる空に早くも星が瞬きはじめている。 「杉山二等兵、火おこしの任務ご苦労であった。乾杯の儀を執り行う」 半田教官は「Beer Taste(ビール味)」というアメリカ製で一本八十八円の発泡酒をみんなにまわした。雪のなかに埋めてあったので、刺さるほどの清涼感がのどをすべり落ちていく。激しい作業で汗をかいたため、格別の美味だ。たしかに冬期訓練でしか味わえないものだ。 「現地を視察するため、温泉へ出動する」 1800(イチハチマルマル)。夜六時、現地温泉事情視察。 しかし現地の温泉事情はきびしかった。「判久」などの大きなホテルは日帰り入浴者を受け入れてはくれない。シーズンオフのため、露天風呂がある「清盛」も電気が消えていた。半田教官が以前はいったという村外れのペンション「ハミングバード」にいったが誰も出てこない。あきらめて帰ろうとしたところに、別の車がやってきた。二人のおじさんは、同じ敷地内にある普通の家のブザーを押し、オーナーを呼びだす。彼らのあとについて三百円を払い、露天風呂にはいることができた。 天国のような岩風呂につかっていると、ほろ酔い気分のおっちゃんが話しかけてきた。福島県から出稼ぎに来ているおっちゃんは、キャンプ場の上流にあるダムで土木作業員をやっているという。 「あんたら、こんな平日に温泉来て、なんの仕事してんの?」 訊ねられた加納訓練補が言葉につまった。Web会社で働く半田教官はともかく、ヨガ教室などのお布施で暮らす加納訓練補、しがない印税で食いつなぐ杉山二等兵の職業を説明するのがはばかれた。わたしが助け船を出す。 「わたしも鉄筋屋で働いていたんですが、不況でたいへんでしょう」 「おれは高校出てからもう二十五年もダムでやってっから、ほかの現場で働けって言われてもなあんもわがんね。だけっと、ダムの仕事はどんどんなぐなるし、会社もいつ辞めてもいいからって言うんだあ。おれも来月から失業保険もらって福島へ帰んだわ」 おっちゃんのあとについっていったわたしたちは、土木作業員にまちがわれたという。このペンションの日帰り入浴は六百円だが、地元料金の三百円しか払ってない。 「あんたら、どこさ泊まってんの」 「河原です」 1930(イチキュウサンマル)。夜七時三十分、夕食。 我々は設営地にもどり、夕食をつくりはじめた。料理長である加納訓練補が言う。 「杉山二等兵、白菜とニラ、エノキと焼き豆腐の切断をたのむ。わたしは鳥団子の製作を担当する」 加納訓練補がポケットからとりだしたものに驚いた。 100円ショップで買われたプラスチック製の「おろし金」であった。このような雪原においてもチュ−ブにはいった防腐剤入りのショウガを拒む、徹底した健康指向だ。加納訓練補はかじこまる指先に何度も白い息を噴きかけながらショウガをすりつづけた。 キムチ風味の鳥団子鍋は絶品だった。 すいとんやきりたんぽまではいってる。半田教官のランタンをたよりに闇鍋を貪る。 「杉山二等兵、もし夏にランタンをかこんで食事をしたらどうなるかわかるな」 「はっ、源流マタギの会のタケ隊長は蛾が口にはいったそうです。蛾の鱗粉の味は油菜に似ていたそうであります」 半田教官は口のはじから糸コンをたらして微笑んだ。 「雪上野営訓練のすばらしさはそこだ。蚊に刺されることも蛾が食べ物に飛び込むこともない。このへんでは熊や蛇がよくでるが、今は冬眠中だ。私の同僚たちが派兵されるアフガンの子どもたちには、鳥団子鍋もテントや寝袋もないのだぞ」 支給されたインスタントカイロをつま先と背中に貼り、ビールを飲む。とっくの〇度をすぎているので、ビールの泡がシャーベット状になり、指でもちあげられる。 加納訓練補はわたしがアマゾンで買ってきたハンモックにウレタンマットをしいて寝そべった。極彩色に染め上げられたハンモックが純白の雪を背景に揺れるのはかなり異様な光景であった。 2200(ニイニイマルマル)。夜九時、宴会。 八十八円のアメリカ製発泡酒を飲み干した我々は、八百九十八円の泡盛の封を開けた。半田教官はおもむろにカップで雪をすくうと、そこへ泡盛をそそぐ。フローズン・マルゲリータやフローズン・ダイキリのすばらしさは知っていたわたしだが、「フローズン・アワモリ」は絶品である。氷の粒子がのどをすべり落ちる快感、その一粒一粒が食道や胃壁で溶けていく喜びは筆舌に尽くしがたい。 |
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12月13日(木)
マヤ暦6月1日 |
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12月14日(金)
マヤ暦6月2日 |
オレが日光の実家にもどって四年になる。二年前までは家賃が五千円だった(笑)。大家がこれじゃ固定資産税も払えないというので一万円にあがったけどね。 七十年以上まえに建てられたオンボロ木造家屋は、六軒の家族が暮らす長屋のようなものだった。しょう油や味噌の貸し借りから、出産や葬式の手伝いまで、隣組は助け合って暮らしてきた。 家のまえをとおるとき言う「お借りしま〜す」という声を耳がおぼえている。今では残っているのはうちだけで、ほかの家は無人のままだ。 家ってなんだろう? 樹上からおりたオレたちの祖先は、洞窟という「家」を手に入れた。 「外敵や寒さや雨風から自分の守ってくれる環境」とでも定義しよう。 取った獲物を安心して食べることができ、 毒物や薬草、衣服や道具づくりの情報を交換することができ、 夢や神話を語り合うことができる場所だ。 家に守られて人間は社会性を発達させていった。 うちはすきま風がはいるので、灯油ストーブでも一酸化炭素中毒になることはない。ボロ家は風通しがいいのだ。密閉すればエネルギー効率は高まるかもしれないが、空気がよどむ。 家は細胞膜のようなものだ。 自分を包む環境と有機的な情報をやりとりできなければ、住人も孤立してしまう。 長屋の復活を思わせる「コ・ハウジング」(co-housing)というムーブメントが欧米で広がっている。 「co」はコ−ポレイト(協力)、コミニケーション(つながり)、コミュニティー(共同体)からとられたものだろう。 一九六〇年代後半に、デンマークで Jan Gudmand-Hoyer らが共同体の復活を提唱し、八〇年代にアメリカ、カナダに広まっていった「住空間」の革命だ。 洞窟に住む祖先が手に入れた「外敵や寒さや雨風から自分の守ってくれる環境」というのは、現代でさえも変わらない。 通り魔やサイコ、農薬やダイオキシンなどの外敵から守ってくれ、子孫が安心して暮らせる「持続可能な社会」システムをつくる環境を実現する。大きなヴィジョンにもとづいたコミュニティー(共同体)の再構築である。 ひと言で言えば「いかに住みやすくするか」。それにつきる。 地域通貨で紹介したニューヨーク州のイサカは、コ・ハウジングでも世界をリードしてる。イサカは「オレたちの未来かもしれない」と希望を寄せつつ、貿易センターでテロを受けた従弟に「イサカにいって現地レポートをしてくれ」とたのんだ。近いうち報告できるだろう。 ここではイサカの概要を、しっかりとした未来のヴィジョンをもつ「SAKAMOTO HOME PAGE」から引用させてもらう。 ニューヨーク州イサカ(Ithaca)市において試みられている、コ・ハウジングから成るエコ・ヴィレッジを構築するプロジェクトを紹介する。規模は、住民500人、広さ約700000m2。 近隣 * 個人のプライバシーを守りつつ、近隣や村全体の共同体意識を高める。 * 住民同士の交流関係を支援する。 * 住民と、動植物がふれ合う場を設ける。 * 歩行や自転車での交通を奨励し、車の住宅街への乗り入れを禁止する。 * 自由空間を最大限確保する。 ヴィレッジ・センター街(Village Center Complex) ヴィジターズ・センター(Visitor's Center) エコ・ヴィレッジ教育・研究センター 農業 * 食料や果物を豊富に栽培する。 * オーガニック栽培など、持続可能な技術や手法を開発し実践する。 * 食料を供給することで、住民の生活に余裕を与える。 * 共同体の活動を通して、また、土地との繋がりを通して共同体を活性化させる。 輸送と流通 * 歩行と自転車を奨励する。 自然資源 * 湿地や森なども含む自然地域の保護、修復、創造に努める。 * 動植物を育てる。 * 歩行者が自然資源と充分にふれ合うことのできる小道を設ける。 * 野生動物保護区域を侵さない。 * 植林によって森を再生する。 * 住宅街の近くに遊ぶための広場を設ける。 * 住民のプライバシーを損なわない程度に、他地域を受け入れられるよう設計する。 * 自然地域の情報を収集し整理する。 水と汚水 * 用途ごとに適切な種類の水を供給する。 * 可能な限りリサイクルできるシステムを構築する。 * 水の使用量を減らすための活動を実践する。 固形ゴミ * ゴミの減量に努める。 * 再利用、リサイクル、コンポストを推進する。 エネルギー * 持続可能なエネルギーを使用するにあたり、分かりやすい手段を示す。 * 効率的な輸送システムを採用し、エネルギー消費を減らす。 * エネルギー消費を最小限に抑えるための活動を実践する。 * 最も環境にやさしい資源、特に太陽光、風、バイオマスを使用する。 * 再生可能なエネルギー資源にスムーズに移行する。 * 快適で便利のよい環境を維持する。 建築資材 * コストの許す範囲で、環境によい資材を選択する。 社会性 * 地域の多様性を反映した住居と就職先のある共同体を作る。 * 文化を維持、創造できるグループを含める。 |
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12月15日(土)
マヤ暦6月3日 |
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12月16日(日)
マヤ暦6月4日 |
ビンラディンのビデオが公開されたことにより、アメリカ中が怒りに湧いている。 京都議定書をけっとばし、対弾道弾ミサイル 条約(ABM条約)から一方的に撤退した。アメリカや金融マフィアが推し進める「グローバル化」は、五百年前の植民地主義となんら変わりない。金に目のくらんだ人間にとって、「野蛮人」は、「他人」は、「モノ」でしかない。 「アヤワスカ!」では約百ページほどを削った。あまりに凄惨な内容を出だしにもってくることをためらったからだ。 ペルーの首都リマにある 「ラ・インキシオン宮殿」、別名……「拷問博物館」のことを書き記しておく。 コロニアル様式の太い円柱のあいだに、十人ほどの人々が並んでいた。家族連れや、恋人たち、若者四人のグループはお化け屋敷さながらにはしゃぎまわっている。なんと入場料は無料なのにガイドまでつく。無愛想に歴史の恥部に触れてくる女性ガイドは、懺悔室で被虐的な告白にふるえる尼僧を思わせた。 「ご存じのとおり冒険家コロンブスは、一四九二年に新大陸を発見しました。西回りの航路でインドを目指していた彼は、三回も中南米を探検しましたが、死ぬまでここをインドだと思いこんでいたのです。アメリカ大陸の先住民がインディアン、インディオ、インディヘナと呼ばれるのも、五百年前の誤解からです。西インド諸島を軍事基地として、ピサロは一五三三年にここペルーにあったインカ帝国を征服したのです」 アクリルケースのなかには、錆びついた鉄具が展示されていた。キリストの手の平に打ちこまれたよりも長い三十センチもの釘、ほとんど石化した足輪、鎖は血の浸食作用でできたとさえ思える赤錆さびだ。 「軍隊のつぎに送りこまれてきたのが宣教師集団です。当時の征服者にとって、キリスト教は絶対でした。表向きインディオは全員キリスト教に改宗しましたが、彼らの生活自体が宗教と深く結びついていた以上習慣は急に変えられません。征服者は密告者に褒賞金を与え、無数ともいえるインディオを拷問にかけていったのです」 尼僧、いやガイドは僕たちを地下に導いた。乾いた岩盤に直径五十センチ、奥行き二メートルほどの穴がくり貫かれている。 「異教徒はこの穴に閉じこめられて死を待ったのです。もちろん改宗を誓って穴を出された人たちもいます。ただし一度異教徒の烙印を押された者たちは、さらに残酷な試験をくぐらなければならなかったのです」 ふたたび、明るい館内に出た。しかしそこに見たものは、あまりに生々しい地獄だった。後ろ手に手首を縛られた男が宙空高く吊るされ、「ガロット」と呼ばれる首締め椅子に縛りつけられた男は恐怖に目を剥むきだしている。木製の台に張り付けにされた男の枕もとにはスペイン人の裁判官が立ち、豊富なメニューを楽しげに思案する。雄牛の陰茎でつくった鞭、「九尾の猫鞭」、臑すねの骨をネジで締め潰す「スペイン靴」、百キロもの責め石、斧おのと木槌きづちによる手足の切断、鋸のこぎり引き、真っ赤に焼けただれた鉄の槍を肛門から口へと刺し貫く、などなど。黒い頭巾をかぶった執行者が、水責めをおこなっている。鼻をつまんで口を開かせ、のどに真鍮の漏斗じょうごを突っこむ。「小尋問」では十リットル、「大尋問」では二十リットル。つぎにパンパンに張った腹を棍棒でどやしつけると、口と鼻から血の混じった噴水が上り、受刑者は呼吸困難におちいる。もしくはわざと吐かせず、排尿できないように陰茎を濡れた革ひもで縛りあげたという。これらが精巧な蝋人形で再現されている。 恐るべき負の想像力! インディオたちにとって西洋の絶対神とは恐怖以外の何者でもなかったのか。宗教とは人を救うものではなく、人を脅すものだったのか?! 寝たきり老人となったアイヌの長老、葛野辰次郎さんの言葉が蘇ってくる。 「あの世に地獄なんかない。人間がこの世に地獄をつくりだすんじゃ」 能天気なニューエージは「宇宙人がやって来て人類を進化させてくれる」などと浮かれているし、「正義」に酔っぱらった平和運動ではなにも変えられないと思う。 人間のもつ「不の可能性」を直視しなければならない。イジメも犯罪も、相手が「モノ」であるから、できる。 オレたちもちょっとしたきっかけで、同じことをするんだ。 そして、同じことをされるんだ。 痛みを自分自身に引き寄せ、 体で考えていかないと、 「明るい未来」は永遠にやって来ない。 |
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12月17日(月)
マヤ暦6月5日 |
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12月18日(火)
マヤ暦6月6日 |
タケちゃんの家で「Holy night」(聖夜)を録音した。 Lynchというライブハウスがクリスマスに出すオムニバスCD用にだ。 イントロにアイヌの祈りの言葉をいれることになり、コハナ・フチというおばあさんの残したイノンノ・イタック(祈りの言葉。「ウレシパモシリへの道」新泉社より)を練習した。 はじめ、カタカナで棒読みしていたし、録音のため義務的にやっていた。するとタケちゃんのミキサーがおかしくなり、ノイズのみで声が録音できなってしまった。不思議な現象にタケちゃんも首をひねり、おれは何度も復唱させられる羽目になった。 突然、襟足になにかが触れ、背中に侵入してくる感覚に襲われた。 オレは霊能力なんかないし、心霊現象を体験したこともほとんどない。 急に森の情景が浮かび、涙があふれた。 背中から侵入してきたモノが老婆だという確信が沸いた。老婆がオレの口を借りて話すように、声の抑揚まで変わった。 録音のためじゃなく、人々や動物や植物、この世に存在するすべてのために祈っているような気持ちになる。 イノンノ・イタック (祈りの言葉)日本語訳 野上ふさ子 イ・レス フチ (育ての火のお祖母さん) モシリ コロ カムイ (大地を守るお祖母さんは) タン シ・パセ カムイ (真に重い神様で) ネ ルウエ・ネ クス (あられますから) リクン モシリ ワ (天方の世界から) カムイ トゥラ・ノ (さまざまな神様たちとともに) タン アイヌ モシリ (この人間の世界) ウ・レシパ モシリ (万物がお互いをはぐくんで育ちあう大地) モシリ セルマク (大地の背後を) チ・コ・プンキネ (お守りください) ネイ・タ パク・ノ (いつまでも) モシリ エピッタ) (大地のいたるところ) ウ・レシパ クル・カ (万物があい育ちますように) カムイ・オ・インカル クニ (神様がお見守りくださるよう) ク・エ・イノンノ・イタク (わたしは心から祈り) キ ハウエ・ネ ナ (申し上げます) 「Holy Night」(Music & Lyrics:AKIRA) We dance in the holy night and sing in the holy night (オレたちは踊る 聖なる夜に オレたちは歌う 聖なる夜に) We fly to the holy sky and swim into the holy lake (聖なる空を舞い 聖なる湖を泳ぐ) Put fires on let s burn down those stars (さあ 火をもやせ 星々を焼きおとすんだ) Everything in brightness and everything in darkness (すべては輝きの中に すべては闇の中に) We dance in the holy night and sing in the holy night (オレたちは踊る 聖なる夜に オレたちは歌う 聖なる夜に) we drink up the holy wine and smoke out the holy grass (聖なる酒をあおり 聖なる草を吸う) Take a shower of blood eat the meat a viegen (さあ 血の雨をあびろ 処女の肉を食らえ) Everything in mindness and everything in madness (すべては正気の中に すべては狂気の中に) We dance in the holy night and sing in the holy night (オレたちは踊る 聖なる夜に オレたちは歌う 聖なる夜に) We talk with the holy spirit and play with the holy ghost (聖なる魂と語り 聖なる霊と遊ぶ) Listen to the story from an old man get the knowledge from a crazy man (さあ 老人の物語を聞け 狂人の知恵をつかめ) Everthing in discipliness everything in chaosness (すべては秩序の中に すべては渾純の中に) We dance in the holy night and sing in the holy night (オレたちは踊る 聖なる夜に オレたちは歌う 聖なる夜に) We sleep in the holy grave and dream with the holy babe (聖なる墓地に眠り 聖なる赤ん坊と夢を見る) Let s forget it all and remenber it all (さあ すべてを忘れ去れ すべてを思い出せ) Everythin is beginningless and everything is endless (すべてははじまりもなく すべては終わりもない ) ※同じクリスマスソングでも「きっと君は来ない〜」とかと、全然ちがうなあ(笑)。 |
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12月19日(水)
マヤ暦6月7日 |
山川健一兄貴、編集長による文学メルマの短編、格闘中により、 本日休業。(ほんとは毎日格闘中) きたきたきた、今までぜんぜんこなかったアレがやっときた。 シャーマン系作家(自分の才能なんかぜんぜんないのに、いつもむこうの世界から助けがくる人)は不安定で困る。いつもあちらまかせだからね。 1月から連載する文学メルマの短編がぜんぜん書けなかったのに、今日突然ふってきた。山川さんのリクエストするオレの甥、凛太郎との物語だ。 急にあふれてきた言葉のため日記を書くひまはない。 |
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12月20日(木)
マヤ暦6月8日 |
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12月21日(金)
マヤ暦6月9日 |
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12月22日(土)
マヤ暦6月10日 |
週刊朝日の高橋さんとカメラマンのペーさん、講談社の綾木さんもやってきた。 高橋さんの「アヤワスカ!」には、蛍光ペンと赤ペンでラインや書き込みがびっしりあった。まるで受験生の参考書だ。こんなに一生懸命読み込んでくれるなんて感激だ。おまけにペルーにも行ったことあるという。 やっぱりアヤちゃん(アヤワスカの精霊)がこういう出会いを用意してくれるんだな。もちろん講談社のアヤちゃん(綾木さん)のおかげでもあるが。 インタビューと撮影を終えたあと、野郎四人で素っ裸になって露天風呂に飛び込んだ。チンポ丸出しで、植え込みのまえに降り積もった雪の上をころがっては、また風呂へ。 やっぱり男も女も「裸のつきあい」がいちばんだね。 |
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12月23日(日)
マヤ暦6月11日 |
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12月24日(月)
マヤ暦6月12日 |
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12月25日(火)
マヤ暦6月13日 |
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12月26日(水)
マヤ暦6月14日 |
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12月27日(木)
マヤ暦6月15日 |
近くの白木屋にうつした二次会にもたくさんの人が来た。 わざわざサンフランシスコからやってきたナオちゃんはバークレーで平和運動にたずさわっている。日米の先端で起こっているさまざまな情報を交換した。 朝の五時まで宴会はつづき、Boxingleeのマスターから三次会のカラオケに誘われたが、さすがに体力の限界。 タケちゃんの眠る駐車場にもどり、一時間ほど仮眠をとったあと、日光へむかった。 いつ居眠り運転で死んでもおかしくないのに、「温泉へ行こう」ということになり、日光をとおりこして足尾の「かじか荘」で露天風呂につかった。何度も湯船で眠りこけ、ずるっと水中に落ちて溺死しそうになる。 日光にこもっているオレには、一年分の出会いを一日でしたようなもんだ。 荻窪の繁華街から大自然の露天風呂、目一杯人を楽しませてから自分自身を思いっきり解放させてやる。 人生は振り幅が大きければ大きいほど、楽しい。 |
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12月28日(金)
マヤ暦6月16日 |
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12月29日(土)
マヤ暦6月17日 |
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12月30日(日)
マヤ暦6月18日 |
イスラエルの別名シオンの地にユダヤ人国家を建設しようという運動をシオニズムという。オーストリアのユダヤ系ジャーナリスト、セオドール・ヘルツルが提唱し、一九四七年に国連の保護のもと、パレスチナ分割がおこなわれた。翌一九四八年五月十四日、イスラエルは一方的に独立宣言した。 イスラエルの建国の日をパレスチナ難民は「破局の日」と呼んでいる。当時のユダヤ人はわずか七パーセントの土地しか所有していなかった。 シオニストたちは圧倒的な軍事力でパレスチナ人の土地を略奪していった。イスラエル建国以前には四百七十五あったパレスチナ人の村が徹底的に破壊され、残ったのはたった九十の村のみだった。 パイパー機から小麦畑に枯葉剤を撒かれ、農民たちは土地を捨てて難民化する。家屋や墓石までブルドーザーでつぶされ、そこに入植するユダヤ人は、「ここははじめから砂漠だった」と聞かされるという。少しでも反対する者は残酷な拷問にかけられ、発狂もしくは廃人となった。 ヒットラーのファシズムから逃れてきたユダヤ人が、パレスチナ人に対して同じことをしてしまう。「ファッシズム」の語源はイタリア語の「ファッシオ」からきていて、「束」という意味である。ヒットラーもシオニストも歴史上くり返されてきたすべての悲劇の根源はここにある。自分と同じ痛みを感じる人間を「束」として「群れ」として見てしまうことだ。 だからユダヤ人全員が悪いのではないということだけは忘れてはならない。ユダヤ人もパレスチナ人もすべての貧困者も「犠牲者」である。 広瀬隆が書いた「赤い盾」(集英社文庫)という本がある。この本のおかげで彼は危険人物と見なされ、官憲の監視下におかれている。海外で働く駐在員には必読の書とされ、ベストセラーになった。 内容はいかに世界中の資本がロスチャイルド一族に独占されたいたかということを膨大な家系図から検証する暴露本である。 ロスチャイルド家は十九世紀から現在までヨーロッパの金融界を国際的に支配しているユダヤ系財閥である。 ロスチャイルド家の起源は、ドイツのヴィルヘルム九世の宮廷銀行家であり両替商アムシェル・マイヤーの家紋「赤い盾」に由来する。 ナポレオンの時代に、長男アムシェルがドイツ、次男ザロモンがオーストリア、三男ネーサンがイギリス、四男カールがイタリア、五男ジェイムスがフランスへと分家した。 一族は政略結婚によってヨーロッパの有力者を手中に収め、政治と金融を支配する巨大シンジケートをつくりあげる。 日露戦争では日本がイギリスのロスチャイルド家から、ロシアがフランスのロスチャイルド家から、軍資金の援助をえていた。スエズ運河の購入資金を融資し、イスラエルを建国し、最近では日本の長銀をつぶした。アメリカ同時多発テロで大儲けした金融界のドン、ゴールドスミスもこの家系だ。 政治と金融だけでなく、軍事産業、石油資本、原発、マスコミ、世界の主要機関はこの家系によって掌握されている。 この話を知ると、みんな鬼の首でもとったのように「すべてはユダヤの陰謀だ」と吹聴してまわる。そして「なにをやっても無駄なんだ」と悲観する。 オレは世界を完全肯定する。 今あるのもはオレたちが欲したから存在する。いわば一族が世界を支配するシステムをつくりあげたのはオレたち自身だ。そして必要のないものを消せるのもオレたち自身だ。 彼らだって同じ人間だ。ひたすら金を抱え込んだり、戦争を操って儲けるのにあきる日が来る。時代の価値基準が変われば、「カッコ悪い」ことに気づくだろう。 甘いとか青いとか言われても、オレは人間を信じる。 オレだって変わったんだから、やつらだって変わるさ。 ※イスラエルのペレス外相は十一月十五日、国連総会で演説し、「イスラエル政府の公式の立場にはまだなっていないが、パレスチナの独立、パレスチナ国家(の創設)に対する支持が、イスラエル人の間にある」と述べ、パレスチナ国家の創設を認める可能性を国連の場で初めて示した。イスラエルの中で穏健派の外相は演説後、記者団に対し「私個人の見解を述べたが、多くのイスラエル人の気持ちでもある。これ以外に問題の解決策はない」と語った。 ※イスラエルのシャロン首相は、八〇年代の初めにレバノンのシャティーラでパレスチナ難民の大虐殺をおこなった国防相だ。彼を国連の場で裁判にかけようという動きもはじまっている。(http://www.petitiononline.com/warcrime/署名はアルファベットで名前とメールアドレスをいれるだけ) |
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12月31日(月)
マヤ暦6月19日 |
激動の一年だった。 オレの10大ニュース。 1 二月、iBookや周辺機器一式を太田さんからプレゼントされ、ホームページづくりをはじめる。 2 四月、akiramania完成。「天の邪鬼主義」日記を書きはじめる。 3 四月、paperbackに「ケチャップ」連載開始。 4 五月、日本山妙法寺成田道場の仏舎利塔落成記念ライブ。尼僧ジュンさんから黒人死刑囚ムミアの話を聞く。 5 七月、電脳風月堂主宰ポエトリーリーディングライブ。 6 七月、新潟県奥只見の源流で原始生活。 7 七月、革命導火線前夜ライブ。 8 七月、ホゼ・アグエイアスと再会。 9 七月、素樹ファミリーと中禅寺湖畔にてキャンプ。 10 八月、「風の子レラ」発売。 あれ、10じゃおさまりきれないや。 11 八月、アイヌモシリ一万年祭に参加。チュプばあちゃんこと康子さんガンから生還。 12 九月、ハワイの先住民たちやきくちゆみさんと森田玄さんと出会う。 13 九月、NY貿易センターで従弟が被爆。 14 十月、ADSL開通。 15 十月、マレーシアのサワラク先住民と出会う。 16 十一月、中村哲医師講演会。 17 十一月、ハワイの先住民「フラカヒコ」公演。ピースウォークの小林一朗さんたちと出会う。 18 十二月、「アヤワスカ」発売。 19 十二月、雪中野営訓練。 20 十二月、akiramania初のオフ会。山川健一さんはじめ、たくさんの友と出会う。 20大ニュースとは、えらいてんこ盛りだなあ。それだけ充実した一年だったということだ。 世間でも、アメリカ同時多発テロ、アフガン戦争、パレスチナ攻撃、炭素菌事件、自衛隊派遣、狂牛病、大阪児童殺傷事件、バスジャック事件……。 二十一世紀の明るい未来は裏切られ、ますます世界は崩壊にむかって疾走する。 そこで落ち込む君、君、ちょいと顔をあげてごらん。 戦争の悪いところばかり見がちだったけど、オレはこんなに考えた一年はなかったぞ。しんどくてしんどくて何度も放りだそうと思った。それでも、世界の輪郭をつかみたくて、わずかに残された希望をみんなに伝えたくて、毎日毎日この日記を書きつづけてきた。 この日記はオレ一人が書いたものじゃない。みんながオレという天の邪鬼ロボットを操って書かせてくれたものだ。 そっそっ、その操縦桿もっと強く握って。 今年は心からイアイライケレ(ありがとう)。 来年も夜路死久(よろしく)。 |