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おっとせいのおなか
こうして海につかっていると
母のおなかを思い出す
こうして波にゆられていると
昆布の気持ちがよくわかる
おっかさ〜ん!
をのせた
らっかさん
青いお空で手をふった
こうして風に吹かれていると
父の抜け毛を思い出す
こうして太陽に焼かれていると
サンマのつらさがよくわかる
おっとさ〜ん!
によく似た
おっとせい
酔って高らに手をたたく
こうして星を数えていると
あの子のそばかす思い出す
こうして月に悪態つけば
ウサギのフンが落ちてくる
ヒコー少年は
のれない
エアープレーン
落ちて沈めばみな同じ
単純な奴隷
ボクは太陽の奴隷になった!
もうむだな抵抗はやめちまおう
海
空
そしておまえ
太陽
もうなんにも創れない
なんにも描けない
なんにも歌えない
なんにもいらない
ボクは太陽の奴隷になった!
ああ なんてこった
こんなに物事が単純だったなんて
海
空
そしておまえ
太陽
それだけで世界が充分だったなんて
それだけで幸せができていたなんて
ああ しかし
どこまでも追いかけてくる
海
空
太陽
そしておまえ
風
さみすらしいヒグチ君
ボクは は・く・ち になった
それは 吐く血 でもなく
歯・口 でもない
ただの は・く・ち だ
ボクは は・く・ち になった
それは ばくち でもなく
からくち でもない
純粋の は・く・ち だ
ボクは は・く・ち になった
それは でぐち でもなく
ヒグチ薬局 でもない
ひとりの は・く・ち だ
は・く・ち は たのしい
は・く・ち は うれしい
は・く・ち は めずらしい
は・く・ち は うつくしい
は・く・ち は おとなしい
は・く・ち は おいしい
は・く・ち は いとおしい
は・く・ち は めめしい
は・く・ち は うとましい
は・く・ち は いやらしい
は・く・ち は きたならしい
は・く・ち は おぞましい
は・く・ち は かなしい
は・く・ち は さみすらしい
なんだ まえと変わんないじゃないか
ボクはがっくりと肩を落として
もとの は・く・ち にもどった
靴反り男の海
「おかえり! もう会えないかと思った」
海は黄金の涙を流して
夫を迎える
「さよなら! きっとまた会えるわよね」
空は薔薇色の微笑みを浮かべて
愛人を見送る
「あばよ! もうもどってくんなよ」
雲はオーロラ色のほほをふくらませて
恋仇をなじる
「おまたせ! 子どもたちも元気よ」
月はたくさんの星を引き連れて
歌いはじめる
溶けてゆく
溶けてゆく
人も車もパームトゥリーも
ビルもヨットも商店街も
溶けてゆく
溶けてゆく
あの子もミイラも靴反り男も
痛みも至福も思い出も
「寒いわcc」
人は少しこごえながら
それぞれの海へと帰っていく
ボクには帰る場所がない
うすらトンカチの火傷
いいかげんにしろ おたんちん!
こっちがおとなしくしてると
痛いじゃないか
やめてよ おたんこなす!
火傷しちゃうわ
だいいち 人をばかにしてるわよ
なにニヤニヤして
あたし怒ってんのよ
このうすらトンカチ!
ちったあ 申し訳なさそうな顔ぐれえできねえのか
オレを誰だと思ってやんで
オレはなあ
オレはcc
暑いんだ!!
もち肌ミイラぬぎっぱなし
TRACKSが消えていく
街が遠くなる
ビーチで誰かが教えてくれた
きのうあの街じゃ六インチの雪が降ったとさ
ボクは雪に濡れた靴下を思い出す
あれ ベッドの横にぬぎっぱなしだったよなあ
TRACKSが消えていく
街が遠くなる
もう鼻の頭がすりむけてきた
靴反り男はイタリアの種ロバと雪の上を競争してるかな
もち肌ミイラは棺の中
あの二パックはもういらないよ
TRACKSが消えていく
街が遠くなる
今ボクの頭の中は
食いもんとビールのことしかないんだ
でも「たっだいまー」って帰ったとき
「おっかえりー」って出されたら
断れるかなあ?
But I know how great it was!
TRACKSが消えていく
街が遠くなる
ボクのなにかが軋(きし)んでる
※TRACKS=血管沿いに道をつくる注射痕
下痢になったバカ
太陽にあたりすぎて風邪をひいた
ココナツを食べ過ぎて下痢になった
なぜだろう?
なぜだろう?
君がいないからだ
走りすぎて歩けなくなった
眠りすぎて夢をなくした
なぜだろう?
なぜだろう?
君が遠いからだ
おだやかに たおやかに
時のプールに身をゆだねる
手足はひとつも動かさないのに
沈みはしない
しかしどこへも運ばれはしないんだ!
そんなふうに流れを止めて
そんなふうに風を止めて
そんなふうに時を止めて
そんなふうに涙を止めて
空をながめすぎて哀しくなった
星を数えすぎてバカになった
なぜだろう?
なぜだろう?
君が笑わないからだ
君がリコウだからだ
元気のそりゃ
「元気」
「うん元気」
「そりゃよかったね」
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