スカトロART、恐怖の制作過程
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スカトロアート大全展のための巨大作品を制作するのに、宇都宮市郊外にある閉鎖された工場を見に行った。 |
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| オレは5mX6mのキャンヴァスの上に大の字に寝て、これから描く絵のイメージをメディテーションした。 血液がかわかないうちに描きあげなくちゃなんない。 10万円もするキャンヴァスだ、失敗は許されない。オレは全身の神経をハリネズミのようにとがらせて、描きはじめる。注射器から血を噴出させ、左手でたたくように線を引く。注射器が詰まってきた。ヤバイ!もう固まりはじめたんだ。休むことなく2時間ぶっ続けで描きあげた。 最後にサインを入れた瞬間、いきなりめまいが襲ってきた。オレは真っ赤な手のひらを上に向けて、床に倒れた。800ccも抜いたあと、こんな激しい集中と運動をしたら誰だってこうなるわな。この途方もなくキチガイじみた作品を完成した今は、心から死んでもいいと思った。ア〜ァ・・・ 数日後、シット・ペインティング(ウンコ絵画)にとりかかった。 スプラッタ・ペインティングほどの危険はないけど、制作状況はかなりきびしい。おとといから赤ワインを飲み、体内で天然絵の具(ウンコ)に色をつけておく。もちろんイカ墨スパゲッティーも試みたが、真っ黒になりすぎてリアル感がでない。その点赤ワインはえんじがかった焦げ茶色になり、気品のある天然絵の具ができる。昨日の2回分と今朝の一回分をポリバケツで混ぜ合わせた。老人介護用の消臭剤を混ぜると緑色になってしまうので、「やっぱナチュラルが一番」と混ぜものをやめた。 はっきり言ってオレはスカトロマニアではない。友人にはAVに出てる本物もいるが、オレは自分のウンコもアイドルのウンコも食いたいなんて思えない。 鼻の穴に脱脂綿をつめ、マスクの上にタオルをまいてもまだ臭い。「こんなにまでして、オレはいったい何をやっているんだ?」という疑問を振り払うように、便器用ブラシで描きはじめた。 便器用ブラシのタッチがイマイチなんで、手のひらで塗ったくった。 こうなったら“ヤケクソ”だぁー! 天然絵の具をむんずとつかみ、投げつけるように描いていく。もう鼻も常識も麻痺しちゃってるから、赤ちゃんかアルツハイマー老人のようにはしゃぎまわる。いい年こいた男がたったひとりで『コックさん』を大声で歌い、「ウヒョヒョー!」とか「ギャハハー!」とか笑いながらウンコまみれで絵を描く姿は、今思い出してもゾッとする。精神治療には役立つかも知れないが、このときのヴィデオ記録がないことは幸いだ。 そういえば後日談がある。コックさんを描きあげた翌日、福田氏かと思ってドアを開けると、おまわりさんが立っていた。 「すいません。近隣から通報があったもんで。ちょっと中を見せてもらっていいですか?」 栃木弁丸だしの中年のおまわりさんで、メガネの奥にしょぼしょぼした目がまたたいている。しかし気のいい村の駐在さんが目にしたものは、この世のものとは思えない壮絶な風景だった。 血まみれの注射器やティッシュがそこら中にころがり、明らかに腐乱死体から発せられる異臭が充満していた。 「うっ!」 おまわりさんはしわくちゃになったハンカチで鼻を押さえ、嘔吐をこらえた。 実際に絵があったから身の潔白を証明できたようなものだ。 どうやら通報の内容は「逃亡中の麻原彰晃に似た人物が、サティアンに似た無人の建物に出入りしてる」というものだった。 |