神戸……神の戸
冥界へと通じるそのドアから、荒ぶる神が地響きを立てておどりこんできた。
人々は長い間忘れていた。神の力に驚き、畏れ、倒れ、やがて自らの足で立ち上がる。
なぜなら神は凶暴な爪痕の廃虚に、一本の杖を残していくのを忘れなかった。
その杖の名は……希望という。
「アジアに落ちる」より
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