偽アンディー・ウォーホル展レポート
レポーター  池田栄

AKIRAの連載Deep Under-Groundは、佐川一政氏や鈴木邦男氏との対談をはじめ、前号では新宿ホームレスの段ボールに作品を描き続ける無一色創庫をはじめてアート側からとりあげたりと、ますます反響を呼んでいる。
しかしAKIRAの作品がFREAK OUTに載ったのはVol.5で、なんと2年以上前ではないか!
そこにも書いてあるが、作品の数が膨大すぎてニューヨーク時代に作ったオブジェのみにしぼられている。
彼は4年前の帰国から、毎年多数の展覧会を行っているし、毎回全然違った新作を発表している。ざっと題名だけあげても「スカトロアート」「スプラッタ書道」「クリネックス天使の詩」「射精会」「オナラのビンづめ」「ヒロシマSHADOWS」「ピロシマ」「高円寺なわとびバスツアー」「捨て看板ギャラリー野ざらし画廊」など危ない作品がならぶ。
やはり今回もその全貌を紹介するのは不可能なので、はやくも”伝説”となった最新作「偽アンディーウォーホル」展を紹介しよう。

ニューヨーク時代に生前のウォーホルから奨学金を受けていたAKIRAは、恩師の10周忌に「愛情をこめてクソを投げつけるような(週間ぴあ)」イヴェントを企画した。
AKIRAいわく「夢枕にアンディーじいさんが現れてねぇ、チャネリングで作品を作くらされたんすよ」なんて言っていたが、さっそく初日に行ってみることにした。
原宿駅から竹下通りをガキンチョにもまれながら通りぬけ、明治通りを少し行ったOZ CITYの3階にあるクラブD.U.G。シックスティーズ調の店内は銀のシートが張ってあったりファクトリーを彷彿させる。真っ白いギャラリーなんかよりもここしかないってゆうスペースだ。
入ってすぐに驚いたのは会場のいたるところに「銀色の雲」ではなく、50個の「ドラえもん風船」が漂っているではないか!
いきなり爆笑してしまったわたしは、咳払いをしてごまかし、一枚一枚ゆっくりと、広い会場の壁面 を埋め尽くすペインティングを見ていくことにする。
それにしてもウォーホルをさんざん見てきたわたしには、このシュミレーションを笑いをこらえて鑑賞しろと言う方が無理だ。
だって「コカコーラ」が「オロナミンC」だよ。「キャンベルスープ」なんか、日本の国民食、しかも赤いラベルまでぴったしの「おかめ納豆」だもん。
「マリリンモンロー」はセクシーアイドルで映画スター、伊豆の踊り子の「山口百恵」しかもホクロまでぴったりだ!。
「エルヴィスプレスリー」はスーパーリップで攻めてこいのポスターが36回も繰り返される「キムタク」。「ライザミネリ」は歌って踊れる「安室奈美恵」。「ミックジャガー」は首にコルセットを巻いた上半身裸の「YOSIKI(X-Japan)」
ケネディー夫人「ジャッキー」は「雅子様」なんて右翼に狙われそう。「アメリカンダラー」を「ジャパニーズイェン」にかえたやつなんかも警察とかに見つかったらやばいんじゃないの一応。「モハメッドアリ」は選挙ポスターからとった「ガッツ石松」にも幻の左で殴られそうだし。
「カフカ」がなんで「佐川一政」なんだろう?そうかあの事件を書いた「霧の中」は幻想小説だもんな。
「牛」も福島名産の「赤べこ」になってる。死刑用の「電気椅子」は銭湯などに置いてある、たしかに電気椅子には違いないが「マッサージ椅子」ってのには噴き出してしまった。
ウォーホルの「沈黙の自画像」は唇に人差し指をあててシーってやってるが、AKIRAの自画像では人差し指が鼻に突っ込んである「鼻くその自画像」である。
「毛沢東」はVIPルームに32枚ものシリーズで展示された空中浮遊する「麻原彰光」。そのしかめっ面 はおかしいが笑ってばかりもいられない。英雄から一転して文化大革命ではチベット文化を破壊しつくした毛沢東を思い起こすと、深いアイロニーさえ感じさせる。
なにげに積み上げられた段ボールをよくよく見ると、木箱の上に段ボール色を塗り3色のシルクスクリーンで「愛媛みかん」と刷ってある。「ブリロ」の箱のシュミレーションだろうが、八百屋行けばいくらでも空箱がもらえるのに、あきれるくらい徹底してる。
ふと横を見ると、2m以上もある巨大なヴィデオスクリーンからは「エンパイア」ではなく「都庁」が延々と映され続けてるではないか!。ウォーホルの「BLOW JOB」というフェラチオされてる男の上半身だけを撮り続けた映画があるが、AKIRAはクリニングスされてる女の上半身だけを撮った「LICK JOB」(和名クリニング屋)を上映する予定だったが、モデルの上映拒否にあいお蔵入りされたという。ここまでやられるとバカを通 り越して、すがすがしい感動までおぼえる。

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