死者の
カムイ

Yarn on canvas(194X130,3cm)
nearika No 7





 今回はチベット文化がモチーフです。
 蓮の円盤に乗った男女のガイコツが、第三の目をかっと見開き、踊りながら
FUCKしています。
 サイケデリックなフラクタル図形は、自然の生成過程を数式化し、CG化したものです。DNAの二重螺旋、もしくは輪廻の螺旋力学。
 上部の円に描かれた文字は、「阿吽」(あうん)、または「オウム」。右の「阿」が世界のはじまりの音。左の「吽」が世界の終わりの音です。
 フレームにある48+1個の卵は、「死者の書」が導く49日(しじゅうくにち)をあらわし、ブッダの目が描かれた四つの宮殿が東西南北を守っています。
 四隅にはブッダが初めて説法を説いた鹿がいます。




人間ろうそくは左から、和田アキ子、高木ブー、ムンク、堀内孝雄(ウソ)。

 曼陀羅ギャラリーに勤めるトシさんが、くわしい解説を寄せてくれました。

 チベット密教の曼陀羅やタンカに画かれている骸骨のペアは「チティパティ(CITIPATI)」と呼ばれますが、実は先だってそのタンカの説明文を書いたところでした。
 参考文献などをまとめたのが次の説明書です。

 『チティパティ。別名、屍陀林王。チティパティとは墓場の主という意味であり、彼等は髑髏杖を持って夫婦で踊る骸骨の姿で表されます。あるいは骸骨の夫婦が交わった姿をとることもあります。チベットの伝説によれば、二人は夫婦で苦行僧でした。
 あるとき深い瞑想に入りましたが、その深さときたら、その隙を狙って泥棒が彼らの頭をはね、泥の中に彼らの身体を捨てたことに気づかないくらいです。その時以来、彼らは泥棒の宿敵になり、永遠の復讐を誓ったといわれます。冬至と夏至になれば、チベットのほとんどの僧院で、生と死のサイクルを象徴するダンスを骸骨マスクをつけた少年僧によって執り行われ、病魔を退散させる役割をするといわれます。 御利益・・・病魔退散、泥棒避け』
 西洋でも死神は骸骨で表現され、古くは大鎌ではなく、チティパティ同様旗を持っていたとされます。西洋のタロットで死神が顕れる場合、それは死というよりも新たな生、再生を意味しているといわれるように、チベットでの骸骨(チティパティ)もすべては死を迎え、新たな生を授かることを表現していると考えられています。
 ダンスしている姿は生と死の移り変わり−サイクルを表現しているのでしょう。しかし性交(FUCK)となると確かになんで?となりますね。産み出すというのがキーポイントでしょうか。
 チベットには有名な死者の書(バルド・ソドル)が伝えられているように、死後の世界観というものがよく考えられていると思います。チティパティもそれを示しているのでしょうが、密教的な色彩−いわゆる御利益もちゃっかり示されているのもご愛嬌だと思います。難しい仏教理論だけでは人々は満足しない。生きているからには幸せになりたいと考えるもの。
 さて、ここからが本題になるのですが、骸骨なのですから骨について考えるのが本
筋でしょう。
 人は皆死を迎えますが、死して骸骨は残ります。従って骨が人としての本当の姿であるといえるでしょう。
  骨の中でも、仙骨という骨は人間の爪先から頭の長さでみてもちょうど中心に位置しているものです。仙骨(骨盤)はたいへん重要な役目を担っており、解剖学的には呼吸を頭蓋骨と共同で行っているセンターの一つです。お尻に手を当てて呼吸すれば分かりますが、仙骨が呼吸と共に上下運動しているのが確かめられるでしょう。しかしながら、仙骨はそれだけではなく、人の霊的影響を一心に受ける場所として注目されています。
 人と人とが交わる時にも、この仙骨は、新しき波動を作り出します。人の肉体を生み、そして人の心を生み出すものです。創造の力の原点は、霊的な力を持つ、この仙骨に始まるわけです。
 おそらく、骸骨どうしの性交は、肉体の中に潜む人間の真の姿である骸骨を通じて、新たな生命の誕生を象徴的に示しているのでしょう。しかしながら、生命の誕生というありきたりの象徴よりも、もっと大きな規模で捉えてみることが必要なのではないかと考えます。それは、創造の時代が到来する、否、今やその時であることを知るときなのかもしれません。
 人には、天の門と地の門、そして人の門が存在しており、それぞれが三丹田に相当し、それぞれの門には主が存在します。それらを称して霊、魂魄、念(生霊)といいます。
まず、人の門が開かれてくることでしょう。そのさきがけとなるのが、この仙骨です。
 人間の中には、自然界より伝えられた生霊の声、すなわち、精霊の声も聞こえてくる人も出てくることでしょう。それが、人自身が分かる分からないに関わらず、人の元へ届いてゆきます。 それを効果的にするのが数字の「6」。森からあらわれるあらゆるものを呼びよせることができる数字であり、人の身体は沢山のものから影響を受けているのですが、その一つに森から出てくるフェアリー(精霊)が挙げられます。
 それを集めることが出来、人の身体を喜びへと変えることができることでしょう。
 人と自然を結ぶ。それは見えない世界−隔離世を結び、多くの者達が参集して時代を創造してゆくことでしょう。そのためには人間本来の力を発揮することが必要なのでしょうが、そのためには数々の封印を紐解く事となります。

 AKIRAさんがインスピレーションを仙骨にて感受し、様々なシンボルをモチーフしたネアリカを創作されてゆくのは過去の文明の遺産、そしてそれらを通じて送られてくる波動を復活させている行為なのかもしれず。人の進化は文明の進化とともにあり、決して過去の無文明の時代へと逆戻りするものではないでしょうね、きっと。


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